今年で83歳になる曽野綾子の新刊。
経験に裏打ちされた説得力のある本である。
著者独特の視点で物事を見つめ、教えられることも数多い。
〜自らの戦争体験から貧乏の定義を「その晩に食べるものがないこと」とし、受給金でタクシーに乗って競輪に行くような人がいる今の生活保護制度を批判している。
〜教師と生徒は対等ではない。教育とは強制である。
〜日本では、自由を教えても自由の制限は教えられない。
〜どれだけ格差はいけないと連呼したところで、格差のない社会はない。
〜常時ばかりではなく、非常時にも対応できる人間、その基本にあるのは一人ひとりの人生体験しかない。
などなど
今のこの国にとっては貴重な意見が詰め込まれている。
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